川中島中学出身 内投手 千葉ロッテに1位指名
応援団での坊主頭から野球の道に
平成15年12月5日 タウンニュース川崎区版より
県立川崎工業高校3年 内 竜也さん
「入団した実感がすこしずつ湧いています」。 ドラフト会議で千葉ロッテに1位指名された19日の夜は、興奮のあまり寝付けなかったという。145Kmの直球と、切れ味鋭い高速スライダーが武器の高校屈指の豪腕投手。夏の県大会では、51の三振を奪い、ベスト8まで進出。がぜんスカウト陣からも熱視線が注がれた。ドラフト以前は「プロから上位指名」と各紙で書き立てられていたが「本当に指名されるのか」と内心は不安でいっぱいだったそうだ。ふたを開けてみれば、県内公立高校では初となる1巡目指名。よろこびもひとしおだ。
川崎工高会議室で報道陣およそ60名が集まって行われた記者会見に緊張した面持ちで登場した内投手は、心境を聞かれ「嬉しいの一言です」とコメント。今夏の県大会でベスト8まで勝ち進んだ時に見せた攻めの表情とは打って変わって、質問攻めにする記者らに照れながらの‘受け答え‘。しかし、「プロに入ったらダイエーの選手と戦ってみたい」と夢は力強く語った。会見後は、グラウンドで待っていたチームメイトから連続15回もの胴上げ。「ここまで来られたのもチーム皆のおかげ。一緒に野球をやってこられて良かった」と、熱のこもった激励ぶりに満面の笑みで応えた。チームをまとめてきた木村茂夫キャプテンは「凄いことで嬉しいです。眠れないと言っていたので決まって本当に良かった。見ていない所で努力した結果だと思います。これからは内が出る試合はすべて、野球部みんなで応援に行きたいです」と歓喜に浸っていた。
川中島中学出身。当初は坊主頭が嫌との理由で、バスケットボール部に所属していたが、2年生の秋に野球部へと転向した。キッカケはその年に開かれた体育祭で応援団に入ったこと。応援団はクリクリ坊主が義務付けられていたという。元々小学校の時から野球チームに所属していたこともあり「坊主になったことで、また野球をやりたい気持ちになった」。思わず苦笑いを浮かべながら、秘話を明かす。
入部直後には、1年半のブランクがありながら、1球で周囲を圧倒。その才能を見せている。3年生の大会は、新人戦、春夏とチームは振るわなかった。しかし秋季大会では全6試合をすべて完封し、その実力を見せ付けている。当時の球速は最高130Kmだったという。「とにかく素直で無欲な子。練習をサボったこともないし、言われたことに対して、嫌な顔は一つも見せたことはない。プロになったからには、全校の野球少年が目標にするような選手になってほしい」と川中島中学野球部顧問の高山先生は言う。
また周囲いわく、学校では友達おもいで皆から好かれている存在。日頃は、野球の練習から帰宅すると近所の友人宅に遊びに出かけ、テレビゲームに興じるほか、様々な話に花を咲かせているという。ユニフォームを脱げば、いたって普通の高校生だ。
球団から与えられた背番号は「21」。今井雄太郎(阪急)、東尾修(西武)、高橋直樹(日本ハム)、木佐貫洋(巨人)らエース級の投手がつけている番号だ。それだけでも球団から寄せられる期待の大きさが伺える。黒木知投手のように気持ちで投げられるピッチャーが目標と語り、さらに「勝ちが計算できる投手になりたい」とも。課題は自覚している。「まずはプロの厳しい練習についていけるように、しっかりと体力をつけなければ」ときっぱり。実感とともにプロへの自覚も芽生えている